南利幸さん連載コラム(メルマガより抜粋)

2024.3.19配信

「天気予報と日の出」

気象キャスターになって35年ぐらいなりますが、そのうち20年以上は早朝の天気予報を担当しています。

朝一番の天気予報は6時前。天気予報には天気カメラが付き物で、映っている様子を見ながら、雲が出ているのか、晴れ間があるのか等のコメントをします。

外が明るければよいのですが、問題は暗い時期です。雲の様子は見えないし、雨が降っていることすら分からないこともあります。傘をさしている人や車のワイパーが動いているのが映っていれば、雨が降っていることが分かるのですが、6時前は人も少なく、確認が取れないことが多いのです。

東京で6時前が暗い時期は11月中旬から2月下旬まで、大阪は東京より15分程度日の出が遅いので、11月初めから3月初めまでは暗い状態が続きます。

3月はやっと明るくなり、天気のコメントがしやすくなる時期です。光の春とは言いますが、早朝の気象情報を担当する身にとって3月は朝の明るさを実感する時期です。

2024.2.20配信

「気温の変動」

今年の2月、4月並みの気温の日もあれば、真冬並みの気温の日もあり、何を着てよいのかも分からず、体がついていかないですね。

全国的に気温の変動が大きくなる月を調べました。前日との最高気温との差を全国の47都道府県庁所在地で調べ、全国の平均を取りました。1番変動が大きな月は3月、2番目が5月、3番目が4月、4番目が2月でした。つまり変動が大きな季節は春です。春は大陸から寒気が流れ込むこともあれば、南から暖気がやってくることもあり、暖気と寒気がせめぎあう季節です。たった1日で空気が入れ替わることもあるため、前日と比べて急に寒くなることもあれば、暖かくなることもあるのです。

2月は春に向かう入り口です。暖かいからと言って油断せず、暖かいのは一瞬で、2月は必ず寒さが戻ってきます。体調を崩すことなく、変動の大きな時期を服で調節しながら上手に乗り切りましょう。 

「ダウン着て あまりの暑さに ダウンする」

2024.1.19配信

「寒さの底」

まずは、能登半島地震により被害にあわれた皆様、心よりお見舞い申し上げます。寒さが一層厳しくなる時期での地震発生なので、凍えるような日々を迎えているのではないでしょうか。私は29年前の117日の阪神大震災で被災をしましたが、あの時も電気やガスが止まり、暖を取ることが難しく、春を待ち望んだことを覚えています。

1月下旬から2月上旬にかけては1年で最も寒い時期になります。どの日が年間で最も気温が低くなる「寒さの底」なのかを、過去50年間の最低気温で調べると、石川県輪島市は25日ごろ、東京は125日ごろ、大阪は131日ごろでした。(東京や大阪に比べると輪島の寒さの底が遅れて出現しているのは、海水温の影響だと思われます)

今年はいつもの冬と比べると暖かい日が多くなっていますが、暖冬とはいえ体に応える寒さが定期的にやってきています。もうしばらく防寒対策をしっかりして寒さを乗り切りましょう。春は必ずやってきます。

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