2019年

2019.12.20配信

「暖冬」 

秋(9~11月)の気温は観測史上最も高い所が多くなり、12月に入ってもまだ気温の高い状態は続いています。紅葉は遅れ、12月中頃になってもカエデやイチョウの色づいた葉っぱが残っています。

 1月にかけても気温の高い状態は続く見込みで、今シーズンは暖冬になりそうです。暖冬の雪や雨はどうなるのかを過去30回の冬のシーズンで調べました。

 富山は12月~2月の平均気温は4℃、それよりも1℃以上高い冬の降雪量は100㎝なのに対して、1℃以上低い冬の降雪量は387㎝でした。3倍以上の差があり、暖冬になると雪の量が減ることが分かります。

 一方、あまり雪が降らない神戸の冬の平均気温は6.6℃、それよりも1℃以上高い冬の降水量は186㎜、1℃以上低い冬の降水量は98㎜でした。暖冬の冬は雨の量が多くなっています。

 今シーズン、太平洋側は傘の出番が多くなり、日本海側のスキー場は雪不足に悩むことになりそうです。個人的には冬はキリっと冷え込む方が好きなのですが・・・。

2019.11.20配信

「初氷」 

 気象台では冬のシーズンに入って初めて氷が張った日(初氷)を観測しています。観測の方法は、観測場に水を入れた器を置いて、氷が張ったかどうかを確認しているだけですが、器は1960年代まで蒸発量の観測で使用していた小型の蒸発計(直径20㎝深さ10センチの銅製の容器)を使っている所がほとんどです。

 今年は初氷が遅い所が多く、宇都宮地方気象台では1116日で平年よりも9日遅くなりました。長期的にみても徐々に遅くなっている傾向があります。宇都宮では1970年代や1980年代は10月下旬に初氷を迎えていますが、最近は11月中ごろとなり、半月は遅くなっています。また、結氷の終日は1970年代や1980年代は4月中ごろだったのに対し、最近4月のはじめとなり、終日は半月ほど早くなっています。初氷から終日までの期間を冬と仮定すると、冬が一か月短くなっていることになります。

 三か月予報では今冬は暖冬の予想です。東京や大阪の街の中では氷が張る日は何日あるでしょうか?

2019.10.18配信

「台風19号」

 20191012日、台風19号は伊豆半島に大型で強い勢力で上陸しました。記録的な大雨となり東日本や東北に甚大な被害をもたらしました。

 12日の朝の天気予報を担当しましたが、台風が南海上にある時点からすでに伊豆半島や関東山地は激しい雨が降り続き、土砂災害の危険度分布では極めて危険な所が広がり始め、洪水の危険度も関東山地を流れる中小河川は極めて危険な状態になっていました。翌朝までの24時間予想雨量は500㎜を超え大規模な災害が発生する恐れが非常に高いレベルでした。12日も早朝から早めの避難を呼びかけていましたが、台風が通り過ぎた後の河川の氾濫や土砂災害の映像を見ると、避難を呼びかける言葉は適切だったのか、もっと他の呼びかけがあったのではないか、1週間たってこの文章を書きながらも自問自答し、ふがいない思いや後悔の念を抱いています。

 一人でも多くの人の生命を守るように言葉も考えないといけないと強く思わせた台風でした。

2019.9.20配信

「暑さは彼岸まで?」

 今年の9月は暑いですね。8月下旬が涼しかっただけに、9月の暑さは堪えます。9月上旬は35度を超える日も多く、9月の暑さは統計開始からすると上位の記録になりそうです。

 さて「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、本当に暑さは彼岸まででしょうか?

 去年までの30年間の真夏日を調べると、彼岸入り(今年は9月20日)の真夏日の回数は30回のうち東京は7回、大阪は10回、彼岸明け(今年は9月26日)は東京では2回、大阪は6回でした。これからすると東京は彼岸の頃に暑さは収まり、大阪は彼岸を過ぎないと暑さは収まらないようです。

 これを47都道府県庁所在地で調べると、暑さの収まりはおおむね北日本では彼岸前、東日本は彼岸の頃、西日本や南西諸島は彼岸過ぎのようです。暑さは彼岸までとはいうものの、地域によって彼岸の前なのか後なのか、少しとらえ方が違うようです。

 ともあれ早く涼しくなるのが悲願です。

2019.8.20配信

「秋雨の時期」 

 東京と大阪を往復する生活をし始めて13年、東京と大阪では天候(季節)に大きな違いがあることが経験上分かってきました。その一つが秋雨です。

 秋雨は梅雨のように気象庁からの「入り」や「明け」発表がないので、私が勝手に日降水量5㎜以上の期間(去年までの30年間のデータ)を秋雨とすると、大阪は831日から104日(35日間)に対し、東京は811日から1027日(77日間)となります。また、秋雨のピークは大阪では914日で日降水量は6.2㎜、東京は106日の9.0㎜です。大阪と比べると東京は秋雨の期間は倍ぐらい長く、雨量も多いため、東京は秋雨がはっきりと現れています。

 これは太平洋高気圧が東へ後退し、湿った空気が関東に流れ込みやすくなるのと同時に、太平洋高気圧の縁辺を北上する台風が関東付近やその南海上を通ることにより、雨が多くなるのだと考えられます。

 東日本で秋が最も大雨になりやすい季節です。大雨の時期を知ることも大切です。

2019.7.22配信

「梅雨明けは夏のバロメーター」 

 今年の梅雨は、太平洋側で雨が降り続き、特に関東は梅雨寒の上、日照不足に見舞われています。この文章を書いている720日の段階で、九州南部は梅雨明けが大幅に遅れ(平年714日)、関東も梅雨明けの兆しが見られません。

 さて、梅雨明けは夏の天候の目安です。梅雨明けが早いと、夏は暑くなり、梅雨明けが遅いと冷夏になることが多くなります。

 1951年から2018年のデータで調べると、東京の梅雨明けが平年よりも5日以上早く明けた年(平年721日)の78月の平均気温は27.0℃に対して、平年よりも5日以上遅かった年の平均気温は25.5℃で、1.5℃も低くなっています。また、日照時間は5日以上早く明けた年の78月の2か月間の日照時間は376時間、5日以上遅い年は267時間で、100時間以上も異なります。

 冷夏で日照不足になると、経済に悪影響をもたらします。早く明けてもらって、明けましておめでとう!と言いたいですね。

2019.6.20配信

「西と東の梅雨」 

今年は西日本の梅雨入りが遅い(確定ではありませんが)。なぜ?なのか。大雑把に言えば西日本と東日本の梅雨の成因が違うからと言えるでしょう。

 梅雨の時期、日本の周りには4つの気団が存在します。大陸にある長江気団と南シナ海から北上してくる熱帯モンスーン気団、オホーツク海にあるオホーツク気団と太平洋にある小笠原気団です。西日本は長江気団と熱帯モンスーン気団のぶつかり合いで梅雨前線ができ、東日本はオホーツク気団と小笠原気団の間で梅雨前線ができます。成因が違うため東日本から梅雨に入ることもありますし、また西と東で雨の降り方も異なります。

 関東の都県庁所在地7地点と九州の県庁所在地7地点で、最近10年間の1時間に50ミリ以上の雨が降った延べ日数を調べると、67月の2か月で、関東の4日対し九州は33日もありました。

 今年、西日本の梅雨入りは遅れていますが、入ると大雨の季節に突入します。今年も梅雨の大雨にご注意ください。

2019.5.20配信

「平成の天気予報」 

 気象学会から宿題を頂き、平成の天気予報の変化(テレビ画面の変遷)について調べてみました。30年ほどですが平成の初めと終わりでは、天気予報の中で使用している画面はかなり増えました。

 現在も使われているアメダスやひまわり雲画像(連続)は昭和の終わりごろに登場しましたが、分布予報(メッシュ天気)は平成8年からであり、GPVの降水や風は平成13年からで、予報を補完する画面は全くありませんでした。

 現在画面は豊富で、状況に合わせてチョイスすることができ、突発的な災害に際しても即時に対応することができるようになりました。

 だた、昔の気象キャスターは少ない画面で起こりうる現象を話すことにより「想像」させていましたが、現在は画面を「見せる」天気予報に変わっているような気がします。見るだけでわかる画面が増えることにより、キャスターの解説する能力が落ちていると捉えることもできます。私も反省せねばと思いました。

2019.4.19配信

「黄砂の季節」 

 今年46日、7日は我が家(兵庫県西宮市)にも黄砂がやってきました。普段は見える山並みが霞んで見えないくらいの黄砂でした。黄砂を顕微鏡で確認すると、スギやヒノキ花粉の大きさが直径0.04㎜なのに対して、黄砂の大きさは0.0020.004㎜ぐらいで、花粉の10分の1ぐらいの大きさでした。小さなものですが、大量の飛んでくると手すりや車は汚れ、洗濯物や布団を干すのもためらってしまいますよね。

 このような黄砂の話は、西日本にお住いの方には共感を得ることができますが、東日本の方にとってはあまり興味のない話のようです。それは黄砂の日数が違うからです。去年までの10年間に観測された黄砂の日数は、全国で一番多いのは松江の76日、次いで福岡の66日でした。一方、東の方は少なく、銚子は3日、釧路は6日、東京は9日で、一年に一日飛ぶかどうかです。

 黄砂は西日本特有の春の風物でありますが、梅雨入りまでは飛びますのでご注意を。

 黄砂飛ぶ 車の汚れに 降参よ

2019.3.20配信

「今年は飛びスギ花粉」 

 今年の3月上旬は花粉症でつらかったですね。目のかゆみが止まらず、目が真っ赤になってしまいました。花粉症でない娘も目がかゆいと訴えていました。

 我が家(兵庫県西宮市)では毎年花粉を観測しています。今年で18年になりますが、35日は観測開始から最も多い飛散となり、1日に1平方センチメートル当たり680個、畳一畳にすると1000万個以上のスギ花粉が飛んできていました。

 花粉は雨が降ると下に落とされますが、ベランダの溝にたまった雨水を顕微鏡でのぞいてみると、無数の花粉が雨水の中に混じっていました。また晴れて雨水が乾き、溝の底にこびりついた黄色い塊も顕微鏡でのぞいてみると、その黄色い塊は何百ものスギ花粉が団子状になったものでした。落ちた花粉は再び舞い上がる可能性があります。ベランダや溝はこまめに掃除をした方が症状を長引かせないコツかもしれません。

 「雨水(うすい)でも 花粉の濃度は 薄くない」

2019.2.20配信

「雨男・雨女」 

 外で行事を行うと必ず雨が降る人がいます。そのような人を雨男・雨女なんて言いますが、それは曜日の偏りが原因のような気がします。

 天気は3日から4日の周期で変わることがよくあります。合わせて7日なので曜日に偏りが出ることがあるのです。

 昨年一年間、大阪で少しの雨でも降った回数を曜日別で調べると、日曜日は21回だったのに対し木曜日は32回でした。日曜日・木曜日ともに年間52回なので木曜日は6割以上の確率で雨が降ったことになります。期間を絞るとさらに偏りが大きくなり、昨年の9月から11月の三か月間では、土曜日は13回のうち11回も雨が降り8割以上の確率で雨が降っていました。

 多くの人のお休みは曜日で固定されているので、お休みに出かけるたびに雨が降ることはありうるのです。それが印象に残る日であれば、雨男や雨女として本人は自覚し、周りの人に認定されるのではないでしょうか。

「雨男 お休みごとに 雨が降り」

2019.1.18配信

「インフルエンザの疑い」

  1月初めの日曜日に発熱。その時は東京にいたので、早速渋谷の病院へ。インフルエンザの検査もしましたが、熱が出始めたときはインフルエンザかどうか分かりづらいとのことで、診断の結果は風邪。風邪薬を処方して頂き、我が家(兵庫県西宮)へ向かいました。

  しかし、夜になっても熱が下がらず、インフルエンザだと多くの方にご迷惑をおかけするので、もう一度夜間診療所へ。ここで結果は、検査キットにはうっすらとA型が出ているように見えるとのこと。予防接種を受けていないことを告げると、「インフルエンザにします」と言われ、インフルエンザになってしまいました。

  熱が下がった日を含めて3日間、自宅療養となり、仕事はお休みにいたしました。忙しさにかまけて予防接種を受けていなかったのが痛恨のエラー。一回あたりの出演料で仕事をしていますので、休みは痛いです。大いに反省いたしました。

「インフルの 予防怠り 仕事逃げ」

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