2016年

2016.12.20配信

 「冬を知る」

 1217日(土)、東京の最低気温は0℃ちょうどまで下がり、東京では初霜も観測されました。

 その日の午前4時前、渋谷の地面や路面の温度はどれくらいまで下がっているかと思い、持ち歩いている赤外放射温度計で計測すると、氷点下1℃前後でした。「放射冷却の影響で冷え込みました」と言いますが、やっぱり路面は冷えますね。年末年始は忘年会や新年会で酔っぱらって路面に座り込んでいる方も見かけます。酩酊する前に帰宅するほうが良さそうです。

 もっと冷たい所はないかと探したところ、自転車のサドルは氷点下4℃でした。そこまで冷たくなるのは、材質も関係していると思いますが、サドルは空中に浮かんだ形になっているため、上からも下からも熱が逃げて冷えたのでしょう。公園のベンチ、様式トイレに座ったときなど、お尻がひんやりすることがあります。季節の移り変わりが感じられる瞬間です。

そこで、一つ「イス冷えて お尻で冬を 知りました

2016.11.20配信

「菊花展」

 11月は各地で菊花展が行われます。私は菊花展を見に行くのが好きで、先日は京都府立植物園と東京の新宿御苑で行われている菊花展に行ってきました。最近の菊花展は日本の方だけではなく、外国の方も大勢見に来られており、サクラや紅葉と同じく世界的に有名になってきたようですね。

 菊花展に出展する菊は、1年前から準備を始めるとのことです。親株の保存から始まり、土づくり、さし芽、枝を整え、肥料を与え、そして菊花展に合わせて花を咲かせる。根気よく、難しい過程を踏んで出来上がった菊の花は、形が美しく、色は鮮やか、香りもよく、空間を魅了する芸術作品です。菊花展は芸術の秋にふさわしい催しだと言えるでしょう。

さて、時間をかけて菊花展を歩き回り、芸術を堪能した後は、食欲を満たすことも大事です。その日は、喫茶店に入り甘いものを頂き、芸術の秋と食欲の秋を堪能することができました。

「腹減れば 菊花展より 喫茶店」

2016.10.20配信

「雲海」

 先日、兵庫県朝来市にある竹田城跡に行ってきました。霧に浮かぶ天空の城で有名な所です。麓の駐車場に朝5時頃到着、まだ夜が明けきらぬ内に城跡まで登りました。標高350mほど、登る途中は霧の中、天守閣跡に到着すると麓は雲海の下、城跡は雲海に浮かんでいるようでした。日が昇ると雲海は白く輝きました。

水平方向の見通しが1㎞未満になると「霧」、霧を山の上などから見ると「雲海」です。霧は中にいると見通しが悪く、日照も不足するため厄介な現象ですが、上から見ると幻想的な景色となり、観光の名所にもなります。平日の早朝なのに観光客は数百人もいました。

竹田城跡の周囲は盆地で、円山川が流れています。水蒸気が豊富なので、風が弱く放射冷却が強まった夜は放射霧(盆地霧)が良く発生します。地元のガイドさん曰く、その日は今シーズン一番の雲海とのこと。それを聞いて運が少し良くなったような気がしました。

「雲海が 見えて開ける 運かいな」

 2016.9.20配信 

「赤が咲く」

 先日(910日)新宿御苑を散歩しているとヒガンバナが咲いているのが目に留まりました。ヒガンバナは夏の盛りを過ぎて、ある程度気温が下がると咲き始めると言われています。気象台の生物季節観測の選択種目のひとつでもあり、開花の便りが各地から届くと、お彼岸が近いことが感じられ、お墓参りの計画を催促されているような気もします。 

ヒガンバナはスーッと伸びた茎の上に鮮やかな赤が怪しげに咲いている姿から、忌み嫌われることもありますが、別名「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」で天上の花と言う意味があり、赤い花が咲くとめでたい事が起こる兆しであるとも言われています。 

そう、今年は確かに赤い花を見たその日にうれしい出来事がありました。 

「赤咲いた 悲願がかなう 優勝よ」

25年は長かったなぁ。以前は赤色がポツポツとしか見られなかったスタンドが、今では赤一色に染まっています。球場に行くだけで涙が出てくるんだなぁ~おじさんは。

2016.8.20配信

「鳥を撮る」

 また今年も夏休みがやってきました。親にとっては恐怖の夏休みです。子供の自由研究、末娘は鳥の図鑑を作りたいと言い出しました。家の近くや旅行先で見つけた鳥の写真を撮り、鳥の絵を描き、生態を記すというものです。

 単純な構成ですが、鳥の写真を撮るのが難しい。娘と一緒に私も写真を撮っているのですが、ゆっくり近づいても逃げるし、我が家のデジカメでは望遠が効くわけでもなく、写真を撮ったとしても豆粒のようです。

 その鳥の中でも比較的撮りやすいのが、サギです。大きさもあり、動きもほとんどなく、ある程度まで近づけるので、デジカメでも写真に納まります。おかげで私もサギの種類を覚えました。アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、ゴイサギ、もうサギにあっても大丈夫。

 しかし、サギだけでは図鑑にならんな~。あと夏休みは10日ほど、頑張って写真を撮りたいとおもいます。

 では一句、「すぐ逃げる 鳥の写真は とりにくい」

2016.7.20配信

「耳で感じる温暖化」

 7月に入り、セミの鳴き声があちらこちらから聞こえてくるようになってきました。我が家の周り(兵庫県西宮市)では、まずはニイニイゼミが鳴き始め、次にクマゼミが鳴き、今はアブラゼミの声も聞こえます。

 最近はクマゼミの声が大きいですね。私が子供のころは、クマゼミはほとんど見かけることがありませんでした。夏休みに鹿児島の祖父の家に遊びに行ってクマゼミを取り、夏休みの宿題としての昆虫採集で提出すると、すごいセミを取ったとヒーロー的な扱いを受けたものです。今では珍しくもなく、我が家の網戸にも止まっているごく普通のセミになっています。

年間の平均気温のデータを見ると、今の神戸や大阪の気温は、1980年代の九州南部の気温と同じぐらいになっています。兵庫県でもクマゼミが住める環境になっているのです。クマゼミがうるさく鳴いて温暖化を教えてくれている気がします。

「温暖化 耳が痛いぞ セミの声」

2016.6.20配信

「クチナシの花」

 梅雨の時期の花が咲いています。代表的なのはアジサイ、ドングリをつけるマテバシイ、足元を見ると鮮やかな青色がきれいなツユクサ、それと甘い香りがするクチナシです。

 クチナシは渡哲也さんの歌でも有名ですよね。と言っても先日の放送中「クチナシの花を見ると、クチナシの花の歌をついつい口ずさんでしまいます。」と言ったら、「それはどんな歌ですか?」と言われてしまいました。「クチナシの白い花 お前のような・・・」これを知っているということは、私も年齢が上がってきたということでしょうか?

 この「クチナシの花」の歌詞の2番に、「クチナシの雨の 雨の別れが・・・」というフレーズがあります。つまりクチナシの花が咲くときは、雨の季節であることが、歌詞から見ても分かります。季節感のある情緒豊かな歌ですね。

そこでひとつ、「クチナシに 雨が降っても 愚痴はなし」

2016.5.20配信

「ドクダミ(十薬)」

 5月の半ばを過ぎて、我が家の周りはドクダミの花が咲き始めました。太陽の光があまり当たらない足元で、白い小さな花(花びらの部分は総苞片)が咲いています。梅雨の前から咲き始めるため、ドクダミの花を見ると梅雨入りが近くなっていることが分かります。

 ドクダミとは物々しい名前ですが、毒や痛みをとる「毒・痛み」からドクダミの名前がついたそうで、昔から民間の薬として使われていました。10ぐらいの薬効があるため別名「十薬(じゅうやく)」とも呼ばれています。私も子供の頃に煎じて飲まされました。ドクダミを見ると苦みも思い出されます。

 今でも少し調子の悪いときはドクダミの成分が入っているお茶を買って飲んでいます。ただ仕事上での重い役割の解消には効き目はないようです。

一句作りました。「十薬を 飲めば務まる? 重役が」

2016.4.20配信

「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」

 「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」という諺があります。その理由として「低気圧が接近すると湿度が高くなる→ツバメが餌とする羽虫の羽が湿気で重くなる→虫が低い所を飛ぶ→ツバメは虫を食べるために低い所を飛ぶ」と一般的に言われていますが、本当にそうなのかな~? 

 まず、雨の前に湿度が高くなるのは、ツバメが飛び交う昼間であれば、雨の直前もしくは雨が降ってからのことが多いですよね。それと、昆虫を研究している方に聞いたところ、湿度が高くなるくらいで虫が飛べないのであれば、川沿いに住んでいる昆虫は飛べなくなってしまうと教えていただきました。

 それでは、風と考えるのが妥当ではないでしょうか?「低気圧が近づくと風が強くなる→風は高い所ほど強い→虫は低い所に集まる→ツバメは低い所を飛ぶ」と私は考えますが、どうでしょうか?

今年はツバメをじっくりと観察したいと思います。「観察は 立つより座ろー ツバメなら」

2016.3.20配信

「多過ぎ花粉」

 今年も目がかゆい。鼻水が止まらない。2月末から花粉症の症状が続いています。花粉の数を毎年観測していますが、我が家(兵庫県西宮市)では、毎年スギ花粉は1平方センチメートル当たり1000個から3000個ぐらい飛んできます。

 我が家の周囲半径500メートルの範囲にはスギの木はありません。しかし花粉が飛んでくるのは、生産量が多過ぎるからです。

 スギの雄花一つ(米粒大の大きさ)の中に花粉が30万個は入っていると言われています。大雑把に計算すると、一つの枝に雄花が100は着いているので、一つの枝で3000万個の花粉が生産されており、一本の木に枝は少なくとも100はあるので、一本の木で30億の花粉が生産されていることになります。そうするとスギが植林されている一つの山全体で、何兆もの花粉が用意されていることになります。

 それだけの花粉があれば、街の中にも飛んでくるし、目がかゆくなるのも納得ですね。

では一句「作られる 花粉が多過ぎ スギ花粉」

2016.2.20配信

「春一番」

 春一番と言えば、キャンディーズが歌っていた「春一番」です。私が小学生のころに流行っていた歌です。気象情報に携わる目線で歌詞をよく見れば、気象現象としての春一番の特徴を上手に表していることが分かります。歌の初めに出てくる「雪がとけて川になって流れてゆきます」は、融雪洪水を表現していますし、歌の途中に出てくる「風が吹いて暖かさを運んできました」は、春一番の条件を的確に表しています。

 その条件は ①立春から春分まで、②日本海に低気圧があり、③南寄りの風が風速8m/s以上、④気温が前日または平年よりも高いです。歌詞を書いた方もこの条件をある程度ご存じだったのでしょうね。

 今年は213日、14日に中国・四国・東海・北陸・関東で春一番が吹きました。バレンタインデーに吹いたこともあり、今年の替え歌は「チョコがとけて川になって流れてゆきます」かな? 皆様に春が来たことを願いつつ、一句作りました。

「春一が チョコも心も 溶かします」

2016.1.20配信

「暖冬だったのに」

  師走から年始にかけては気温が高かったですね。関東以西の12月の気温は、観測史上最も高くなった所が多くなりました。先日(110日)新宿御苑を散歩していたら、ロウバイや水仙、寒桜がほぼ満開、2月中ごろに咲く河津桜が咲き始め、初夏に咲くサツキやツツジも間違って咲いていました。各地の気象台からもウメが咲き、タンポポも咲いた情報が届いていますね。

植物もだと思いますが、私も今冬はこのまま暖かい日が続き、雪も全く降らずに春を迎えるのかと思っていました。しかし、118日に南岸低気圧が通過して、天候が一変しました。19日からは冬型が強まり、一級の寒気が入り、北日本は大荒れ、我が家の周りも氷が張っています。玄関を出た瞬間に厳寒にさらされて鼻水が出るし、涙も出てきます。大幅な変動にオジサンも戸惑っていますが、咲いてしまった植物は何を思っているのでしょうか?

一句作りました。「ロウバイが 寒にさらされ 狼狽し」

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気象キャスター 南利幸さん
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